泣き笑いでそう告げれば翔悟はごくっと息を呑んだ。それからそそくさと視線を逸らせる。
「う、うん……それで早速なんだけど、明後日うちの両親に会ってくれないかな?」
 思わぬ台詞に華子は目を丸くした。
「えっ、……もう? いいの?」
「っ勿論! 彼女を紹介するの初めてだから二人共喜んでたし、ちょっと煩いかもしれないから申し訳ないんだけど……」
「ううん、嬉しいな。構わないよ」
「……それから、華子さんのご両親にも、会いに行っていい?」

 今度は華子が身体を強ばらせる。
「それは……それこそ大丈夫? だってその……」
「ちゃんと結婚を前提にお付き合いしてるって話しておきたいんだ。……華子さん、お見合いを勧められているんでしょう?」
「うえ?」
 変な声が出た。
 それもきっと結芽情報なんだろう。
 でもそんなに切実に、真剣に自分を求めている翔悟に、もう愛しさしか湧かない。
「うん、いいよ」
 思わず両腕を伸ばせば、迷いなく翔悟に抱き竦められた。