怜悧な外交官が溺甘パパになって、一生分の愛で包み込まれました


いつも以上に性急な仕草に戸惑いがあったものの、乱暴にされているわけではない。

「は、ぁ! 拓海、さん……」
「沙綾……」
「や、ぁ、んん!」

毎晩のように抱かれた身体はすぐに快感を拾い、彼の望むままに反応を返す。

シーツを掴みながら髪を乱す沙綾をキツく抱きしめ、一心不乱に腰を打ち付けてくる拓海は、やはりいつもと様子が違う気がした。

「拓海さん、すき、すきです……」

沙綾はそんな拓海に若干の不安を覚えながらも、与えられる熱に溺れ、自分を包んでくれる腕から離れまいと必死にしがみついた。


寝返りをして頬に触れたシーツの冷たさで、ふと目が覚めた。

カーテンの外はまだ暗く、まだ夜中か明け方という時間帯。隣で寝ているはずの拓海がいないことに胸騒ぎを覚え、そっと寝室を出た。

リビングに続く廊下に出ると、暗い部屋の奥から、スマホとパソコンの光だけがぼんやりと浮かび上がっている。