ホームパーティー後のこの三日間、拓海は特に忙しそうだった。

一緒に食事を取るのも難しい日が続くこともあるが、休みの日はこれまで以上に沙綾との時間を取ってくれるようになり、誰が見ても仲睦まじい夫婦そのものだ。

拓海から契約結婚を持ちかけられてからというもの、抱えきれないほどの幸せを与えてもらっている。

理不尽な職場から抜け出すきっかけとなり、ドイツへ来てからは自分ひとりではできないような生活だった。

きらびやかなパーティーや、国を動かしている要人たちに出会えただけではない。

沙綾の話を聞き、隣で笑ってくれる。料理をおいしいと食べてくれる。ミソノオタクを馬鹿にせず、聖地巡礼にまでつきあってくれたことも全部嬉しかった。

なにより、もう恋はしなくていいと思っていたはずの沙綾に、もう一度『愛されてみたい』と思わせてくれた。

普段はぶっきらぼうでポーカーフェイスな拓海だが、ベッドの中では驚くほど優しく情熱的だ。

奉仕され慣れない沙綾を徹底的に甘やかし、ドロドロに蕩けさせてから自身の身体を沈めてくる。

拓海の愛し方を覚え込ませるような手ほどきに、沙綾はなす術なく陥落し、ひたすら甘い声で鳴いた。

もちろん身体だけでなく、心の距離も縮まったと感じている。

その証拠に、はじめて彼の家族の話をしてもらえた。