それなのに、拓海は沙綾の反応を見ながら、ひたすら丁寧に優しく快感の高みに導いてくれた。
「沙綾、いいか?」
手早く準備を終えた拓海が、沙綾の太腿に手をかける。
(愛されてみたい。この人に……)
首を縦に振ると、ゆっくりと内部を埋められる感触に腰が震えた。
久しぶりの感覚に急に身体が強張り、爪先までぎゅっと力が入る。
「う、あ……」
「すごい狭いな、食いちぎられそうだ」
眉間に皺を寄せた拓海の表情で、苦痛を与えてしまっていると思った沙綾は申し訳なくて両手で顔を隠す。
「あ、ごめ、なさ……」
「なんで謝る」
「だって、拓海さん、辛そう……」
自分だけ蕩けるほど甘い蜜を味わいながら、彼をうまく受け入れられないだなんて。
快感にぼんやりしていた頭は次第に冷静になり、自らに失望して泣きたくなる。