「可愛いとはそういう顔を言うんだ。覚えておくように」
不敵に笑った拓海が湊人のもとへ悠然と歩いていく背中を見送りながら、沙綾は火照った頬を抑えてその場にしゃがみ込む。
(あの目はずるいって何度も言ってるのに。ミソノ以上に拓海さんにときめいてるだなんて、絶対教えてあげないんだから)
心の中で文句を言いながらも、満ち足りた気分で頬が緩んでいるのが自分でもわかった。
間もなくリビングへ来るであろうふたりと、クリスマスの計画を練ろう。
三人家族になってはじめてのクリスマス。プレゼントのチケットで観劇して、美味しいディナーとケーキを食べて、湊人が眠ったら拓海とふたりでサンタクロースになる。
そんな幸せな未来を、家族で過ごしていくのだ。これからも、ずっと。
Fin.



