怜悧な外交官が溺甘パパになって、一生分の愛で包み込まれました


「『沙綾へ、結婚おめでとう。誕生日プレゼントと一緒で芸がないけど、沙綾ならこれが一番喜ぶと思ったから』って……えー! これ来月のクリスマスの特別公演! 今年上演された演目の主題歌とクリスマスソングを各組のスターさん達が一同に会して歌うやつ! ものすごい競争率で絶対チケットとれないから毎年生で見るのは諦めて同時上映の映画館に行ってたのに! 夕妃さすがすぎる! だいすき! どうしようお礼の電話、を……」

またしてもミソノオタクぶりを披露してしまい、沙綾は口を噤んだ。

「沙綾」
「す、すみません。またしても……」

肩を竦めて上目遣いに拓海を見上げると、大袈裟なほど大きなため息を吐いた。

(どうしよう。ついに呆れられちゃったかな……)

沙綾が居たたまれなくて俯きそうになったとき、拓海に少し強引に腕を引かれ、ぎゅっとその胸に抱き込まれた。

「た、拓海さん?」
「俺は何度“ユウキ”に嫉妬すればいいんだ」
「え?」

今の発言は、夕妃が女性だとわかった上で彼女に妬いているという意味だろうか。そうだとしたら、かなりの独占欲だ。

驚いて拓海の顔をみようと顎を上げると、大きな手のひらで視線を遮られてしまう。