怜悧な外交官が溺甘パパになって、一生分の愛で包み込まれました


その後、昼食をご馳走になってから夕方には自宅に帰ってきた。

帰りの車でぐっすり眠ってしまった湊人を布団に寝かせ、沙綾はようやくリビングで一息つく。

「疲れたか?」
「いえ、ただ想像を超えた豪邸でした」
「ハハッ、いつかもこんなやり取りをした気がするな。あのレセプションほどの緊張じゃなかっただろ?」
「あの時以上ですよ。でも、私も湊人も受け入れていただけてよかったです」
「当然だ。君達を受け入れない理由がない」

そう言うと、慰労を込めたキスが唇に落とされた。沙綾は素直に目を閉じて受け入れる。

「素敵なお父様ですね。拓海さんの考え方のルーツはお父様なんだって改めてわかりました」
「そうか?」
「はい。城之内家の一員になれて、とても幸せです」

平静を装ってはいるが、どこか恥ずかしげに視線を外した拓海が、郵便受けに入っていたチラシを仕分けて一通の封筒を沙綾に差し出した。

「え、私? あ、夕妃から」

夕妃にも散々迷惑をかけたため、入籍した翌日に誕生日の公演チケットのお礼とともに結婚を報告をした。

(先月電話したばっかりなのに、なんで手紙?)

開けると、手紙と一緒にチケットが三枚入っている。