怜悧な外交官が溺甘パパになって、一生分の愛で包み込まれました


「湊人くんはお前たちの小さい頃によく似ている。こんなにも可愛い子を育ててくれていたなんて。ありがとう、沙綾さん」
「やっぱり似ていますか?」

オレンジジュースに夢中になっている湊人を見ながら問いかける。ずぞぞぞ、とストローを鳴らしながら飲む姿は、その場の空気をさらに和やかにした。

「そうだね。目元なんてそっくりだ」
「俺も、はじめて湊人を見た時は、大地の子供の頃を思い出した」

拓海が頷きながら湊人の頭を撫でると、話の半分も理解していないであろう湊人が「みなと、にてる?」と聞いてきた。

「うん。湊人はパパにも大地さんにも、じいじにも似てるよ」
「だいち? じいじ?」
「そう、パパの弟と、パパのパパだよ」
「ぱぱのおとと、ぱぱのぱぱぱ……」

まだ家族構成は難しすぎたようで、眉間に皺を寄せた湊人が「わかんにゃい!」と拗ねる。

「みんな仲良しの家族ってことだ」

拓海が簡潔に伝えると、義彦は湊人にといかけた。

「じいじと仲良くしてもらえるかな、湊人くん」
「うん! いいよ!」

なんとも上から目線な返答に沙綾は窘めようとしたが、義彦は嬉しそうに笑ってくれた。

「いつでも三人で遊びに来なさい。実家のように思ってもらえると嬉しい。君たちはもう城之内家の一員だ」

彼の言葉に、沙綾は感謝を込めて頭を下げた。