「それに、好意を持った女性にそこまで言われてグッと来ない男はいないでしょう」
(好意を……?)
と、その手が私の頬に優しく添えられてドキリと心臓が飛び上がる。
「え? せん……っ」
先生の端正な顔がゆっくりとこちらに近づいてくる。
(……え、ぇ、えぇーー!?)
また、あの時のように冗談なのだろうか。
それとも――。
細められたアメシスト色の瞳がすぐそこまで迫ってきて、顔が熱くて、心臓が破裂しそうで、結局耐えられずに私はぎゅうっと目を瞑った。
ちゅ、と額に軽く熱が触れた。
(――え?)
ぱちっと目を開けると、ユリウス先生はもうこちらを見てはいなかった。でもその頬がほんのり赤く染まっていることに私は気付いてしまった。
「……それでも、今はここまでです。一応僕は今教師で、貴女は生徒なのですから」
そうして先生は赤くなった顔を隠すように再び眼鏡をかけ、ぎこちない微笑みを浮かべた。



