「言いたくありません」
「なんで!」
「僕はクラウスではないので、僕の口からは言いたくありません」
「~~~~っ!?」
もどかしくて悔しくて、私が指をワキワキさせながら低く唸っていると、ふっと先生は笑った。
「!」
笑ったのだ。先生が。
可笑しそうに。
「――失礼。まぁ、そういうわけですので、ミス・クローチェ。貴女ももう前世に……セラスティア姫の気持ちに縛られる必要はありません」
「え……?」
先生が、優しく目を細め続ける。
「僕は、クラウスの生まれ変わりではありますが、クラウスではありません。貴女とは身分も年齢も全く違う、一教師です。何度も言っている通り貴女にはもっと相応しい人が」
「嫌です!!」
思わず叫んでいた。
「私は、レティシア・クローチェは、あなたのことが好きなんです!」
「ですから、」
「前世とか、身分とか、年齢とか、関係なくです。出逢ってからずっとそう言っているじゃないですか!」



