「私はね、あったら素敵だなぁって思うの。生まれ変わった私はどんな女の子だろうって考えていたら楽しくなっちゃって。ふふ、女の子じゃないかもしれないけれど」
何か言いたげな顔をしているクラウスに私はもう一度訊ねる。
「もし生まれ変われるとしたら、クラウスはどんな人になりたい?」
クラウスがゆっくりと口を開くのを私は見ていた。
「私は――」
「レティ、戻ってる?」
その声にハッと目を覚ます。
部屋にひとり戻って、机に突っ伏したままいつの間にか寝てしまっていたみたいだ。
ドアの前で友人が深刻そうな顔をしていて私は慌てて立ち上がる。
「ごめんアンナ、先に戻ってきちゃって」
「ううん、私こそ……ごめんなさい」
そうして頭を下げられて、私はすぐにその意味に気付いた。
「……アンナも知ってたの? 先生の噂」
するとアンナは言いにくそうに答えた。
「私も知ったのはついさっきなの。レティに言おうか迷っていたら、ラウルが先に……」
「そうだったの……」
ラウルひとりの勝手な妄言ではなく、本当に噂として広まっているということだ。



