「緊張するわね」
「ですわね……」
「……」
アンナとイザベラが物々しい雰囲気の建物を見上げ小さく呟いた。
ラウルもごくりと喉を鳴らすのがわかった。
頑丈そうな鉄門の前には長い槍を持った大柄の憲兵が立っていて、それだけで近寄りがたい雰囲気があった。
ちなみに学園の門番はリュシアン様が「この者たちが私を案内してくれるというので少し出てくる」と言うとあっさり出してくれた。
(でも、先生のこと何かわかるかもしれないし……)
勇気を振り絞ってその憲兵の男に近づいていくと、彼は更に身体を大きく見せるように胸を張り私たちを見下ろした。
「何か用かな?」
「すみません。ここにユリウス先生……ユリウス・フォン・レヴィさんはいらっしゃいませんか?」
思い切ってそう訊ねると、彼の太い眉がぴくりと跳ねた。
「そんな名の者はここにはいないが?」
「え……」
「銀髪で眼鏡をかけた20代後半の男ですわ!」
そう加勢してくれたのはイザベラだ。
「いないな」
しかしにべもなく言われ折角の勇気が一気に萎んでいくのを感じた。と、



