「何度も言うけどな、今はこの俺がレティの婚約者なんだからな!」
「――っ!?」
焦ってラウルの方を見る。
彼は堂々と胸を張りリュシアン様の方を睨んでいて。
あの朝のことが蘇りヒヤリとするが、リュシアン様は落ち着いた様子で返した。
「しかしまだ正式なものではないのだろう?」
「!?」
ラウルが目を見開いた。
「君のことは調べさせてもらったよ。ファヴィーノ伯爵家の三男、ラウル・ファヴィーノくん。確かに姫とは許婚の関係にあるようだが、正式に婚約するのはこの学園を卒業してからという話になっているようだね」
「そ、それは……」
「それと君は女性関係に少々問題があるようだ。それで、姫を幸せに出来ると思っているのかい?」
ラウルは顔を真っ赤に染め身体を小刻みに震わせていてハラハラする。
「……なら、お前ならレティを幸せにできるってのかよ。引きこもりの第二王子様が」



