Forbidden Love~どうか私に鏡を下さい。

「これが私……」

王子がぽつりと呟いた。



「子供の頃、私は母上に良く似てると言われてましたが、こうして見ると陛下にも似ていますね。」

「大人になれば顔も変わるからね。」

女性だった頃と変わらず、王子は顔だけじゃなくスタイルもすごく良い。
手足が長くて、まるでモデルさんみたいだ。



「梓さん…」

「は、はい。」

やだ。王子がかっこ良過ぎて、なんだか恥ずかしい。



「これが本当の私のようです。
女性の時とは見た目も声もだいぶ変わりましたが、これからもどうぞよろしくお願いします。」

「は、はい。」

差し出された手は、今までより一回り大きくなったような気がした。
ただの握手なのに、なんだか照れるよ。



「どうしたんじゃ、梓…
顔が赤いぞ。」

もうっ、おばあさんったら、余計なことを!



「ちょ、ちょっと、びっくりしただけです!」

「そうか、そうか。」

イザベラさんもくすくす笑ってる。感じ悪いな。



「驚かれるのも無理はありません。
私自身、すごく驚いています。」

「そ、そうですよね。」

見上げた王子の瞳はとても優しい色をしていた。
それは、ジョゼットさんの頃と少しも変わらない。



本当に良い人だよね。
廃位されたとはいえ、元王族なのに、偉ぶったところが全然ない。
廃位されなかったら、きっと、国民から愛される良い王様になられただろうね。