Forbidden Love~どうか私に鏡を下さい。





(あぁ、ねむ…)



結局、ほとんど眠れないままに朝を迎えた。



「さぁ、行くぞ。」



ついに、王様との謁見だ。
王子はフードを被ってるけど、奥にあるその目を見るだけで、緊張してることがよくわかる。



お城の中に入り、サーマリーさんと合流した時は、私も酷く緊張して、眠気も吹き飛んでいた。
バレやしないか、また捕まるんじゃないかとヒヤヒヤしたけど、何も言われることはなく、ほっと胸を撫で下ろした。



長い廊下をしばらく歩き、剣士が二人立つ大きな扉の前でサーマリーさんが不意に止まった。



「ここが陛下の部屋だ。
良いか、くれぐれも粗相のないようにな。」

低い声でサーマリーさんが釘を刺す。



「あぁ、わかってるよ。」

おばあさんが、つっけんどんに答えた。



やがてゆっくりと扉が開かれた。
王様は、ベッドにおられた。
生気のない顔をされていて、素人目にも具合の悪いことがわかった。



「陛下、魔法使いのサンドラにございます。
こやつは、昔から薬師としての腕が優れており、此度は陛下のために特別な滋養薬を作って参りました。」

「そうか、大儀であった。」



「陛下、この者は魔法医です。
脈を取らせて下さい。」

「うむ。」

王子が王様に近付く。
差し出された腕を取った王子はおもむろにフードを外した。



「陛下…私がお分かりですか。」

王様は不思議そうな顔で王子をみつめ、やがてその視線は王子の中指で止まった。