私の心臓がドキドキしているのが分かる


「…雛、マジで勘弁して…」


え…?


「どういうこと?」


私何もしてないよ?



陸くんは顔をあげ、私を優しく抱きしめた



「俺、今日だけでも色々ありすぎてもう我慢の限界
 春が抱きしめるわ、店員は連絡先を渡すわ…
 挙句の果てには下着姿を全然知らないやつにも見られるわ…」





ん?いつそんなことされたんだろ?



「陸くんそんなことあったの?」


知らなかった…


私が髪を切りに行ってる間に起こったのかな?




陸くんは私の目を見るため抱きしめたまま話始める


「雛…全部雛のことだよ
 俺は別に春と抱き合ったわけじゃねぇし、店員の連絡先をもらったわけじゃない
 それに、今試着してんの雛だろ」





えっ…?…私?


確かに春くんに抱きしめられたけど…




「私、連絡先なんてもらってないよ?」