「あいつら家までついてきそうだったから、ここで少し時間潰そうと思ってな
どうしようか考えてたところに雛がきたわけ」
陸くんは私の頭を撫でる
「大変だね…確かに家どこって聞いてた子がいたもんね」
その子たちかな?
「へぇ〜…聞いてたんだ?」
陸くんが私を後ろから抱きしめ、私の顔に近づける
そのおかげで陸くんの声が耳元で聞こえて胸がドキドキしてくる
「だって…あんなに大きな声で話してたら誰だって聞きたくなくても聞こえちゃうよ…」
ドキドキを抑えるのに必死になる
「それは雛が俺のこと気になってるから聞こえてくるんだろ?」
陸くんが嬉しそうに言う
うっ…それは…あるかもしれないけど…
「…違うもん」
ここでそうだって言えなかった
「雛、素直になれよ、俺はもう知ってんだけど?」
どうしても言ってほしいらしい…
そんなこと言われても
「言わない」
一度否定したらなかなか素直に慣れない

