それから私の生活は一変した。
手はじめに、思い出の品の処分をした。
まず、フォトフレームと写真を処分しようと試みる。
ゴミ袋に入れて、もう一度戻してをくり返して、最後に思い切るために写真を破いて捨てた。
写真の隣に並べられていたシンプルなペアのマグカップは未使用だったので、フリマに出すことにする。
ボーダー柄やスポーティーな物が好きだった瀬良くんを思い出させる物は、この際捨てるか売ることにした。
未練たらしく引きずっていた気持ちは、物と一緒に消えてしまえばいい、そう思った。
ある祝日のフリーマーケットに申し込みをして、それを何となく風太に知らせた。
応援に行くと即レスがあった。
祝日が待ち遠しくなった。

それは月一回、こじんまりとした公園で行われる、地域の人達のためのフリーマーケットだった。
よく晴れていて、防寒した上着の中が汗ばむくらいの日差しが差し込む。
公園のすみに、キャラクターもののレジャーシートの上に生成りの布を敷いて作った即席のお店は、意外にも繁盛した。
並べられたものを見て風太は一言、「ヤツの趣味がわかるな」とつぶやいた。