「さっき下げた私のフォーク、ポケットにくすねるのはやめなさい」
「違います。古くなっていたので新しいフォークに交換するだけです」
「まさか、今までもやってたんじゃ」
「決して私の部屋には入らないでくださいね。コレクションを見られるのは恥ずかしいので」
照れるようなハーディスの声に私はすぐさま立ち上がり、両手で腕を捕まえようとするとスルリと逃げられた。
「あぁっティアナ様!
私を押し倒したいのでしたらどうか続きはお嬢様のお部屋で是非」
「違うから!そして恥じらうんじゃ無い!!」
頬を染めるハーディスと追いかける状況になって、忘れていた両親を見れば何故か微笑ましく見ている。
「相変わらず仲が良いわね」
「良いことだ」
どうやら今までもこれが通常だったらしい。
気がつけば私の方が後ろから大きな身体に抱きしめられて、私の耳にハーディスの息がかかる。
「私の部屋に来るときには、どうぞ覚悟を決めてからにして下さいね」
「どんな覚悟よ」
思わず拳で腹を殴ったが効果は無かったらしい。
なんて可愛らしい拳、という恍惚な表情に私は軽蔑した目を向けるしか無かった。



