ねーさんに、にーさんが帰ってくるまで待ったら?って言ったけど、朝に挨拶したからって言われた。

歯痒い。



ねーさんが帰ってから、にーさんが帰ってきた。



今、この二人が離れちゃったら…



もう二人は…





「にーさん!!」

ボクは叫んだ。

にーさんは防寒着を脱ぎながらボクを見つめた。

「ついさっき、ねーさんは帰ったよ!!
…追い掛けなよ!!」

いつの間にかボクの目から涙がこぼれる。

「…いいよ、挨拶は朝にしたから」

そんな諦めるような事を言わないでよ…

今度は塩野さんが、

「有野さんも同じ事を言ってた。
お互い、相手の事をそんなに想ってるんだったら、一緒になればいいだろ?
お前のこだわりが彼女を苦しめているのがわからないのか?」

冷静だけど、怒っていた。