「あれ?三木は?」

班長がキョロキョロしながら班内を見回した。

「さっき出て行きましたよ」

ボクが言うと

「うーん、困ったな」

班長は本当に困っていたので

「ボク、探してくるー!!」



って、班を出てきたけど。

にーさんのいそうな所は多分…

あ、やっぱりいた!!



「にーさーん!!」

ボクはにーさんの背中に突撃!!

にーさんの目の前には、上品そうな女性が。

驚いてこちらを見ている。

「空気読め」

にーさんが怒りながら振り返る。

「えー、何で?」

ブーブー文句を言ってやった。

「こんにちは」

とボクは笑ってその女性に挨拶をする。

「こんにちは」

笑ってくれたその人は。

控えめで好感を持てる人だった。



「突然消えるから探したよ〜」

そうそう。

見惚れている場合ではない。

ボクはにーさんの袖を引っ張る。

「班長が探してたよ」

「…わかった」

にーさんはボクを見て、すぐに女性に振り向いて

「ちゃんと後はしておくから。
また、よろしくね」

そう言うとボクと一緒に階段を上がって行った。