ならば!!

男らしく、ボクに言ってよ!!



一人、ベッドの上で泣きじゃくる。

『布団はちゃんと干しておいたし、シーツはちゃんと洗ってあるから大丈夫だよ!!』

塩野さんは最後に屋上で休憩した時にこういう事を言っていた。



…でも。

ここには塩野さんの香りが染み付いていて。

ボクの胸は締め付けるだけ。





このままじゃ、ダメ。

ボクはケータイを手にした。



そして、塩野さんに電話をかけようとして。

手を止めた。

まだ、とてもじゃないけど実家には着いていないよね。

メールにしよう。

『電話していい?』

そう、送った。





10秒後。

電話がかかってきて。

「もしもし!!!」

勢いよく、出たら失礼な事に塩野さんは電話の向こうで爆笑していた。

「…何で、笑ってんのよー!!!」

「いやいや、ぽっくんらしい」

まだ笑っている。

「ムカつくなあ。
今、どこ?」

「サービスエリアで休憩中。
あと2時間くらいで着くよ」

どんなに飛ばしてるんだよー。

「そう、さっき、手紙読んだんだ」

そう言うと塩野さんは黙った。

「…なんでちゃんと自分の口でボクに言ってくれないんだよ!!
ボクもずっと悩んでいたんだからね」

「…そうなの?」

塩野さんの、ホッとした声が聞こえた。



これで。

少なくとも。

悲しい別れはなくなった。



この先の、続きは。

また別の物語…