寡黙なトキくんの甘い溺愛


「じゃあ……これだけお願い」

「え?」



ポスッと倉掛さんの頭の上に、軽い荷物を一つ置く。



「これだけ持てそうにないから……お願い」

「……うん!」



倉掛さんの満面の笑みに、俺の顔も綻ぶ。

すると周りにいた女子たちが「家宝!」とヒソヒソ話していた。

どうやら、俺の笑顔がレアでうんぬん――と言う話は本当らしい。


これ以上に目立つのが嫌で「行こう」と倉掛さんの手を強引に握る。そして、二人で教室を後にした。







「あ、あの……トキくん、もう手を離してもいいんじゃないかな?」

「え」



倉掛さんが控えめにそう言ったのは、歩き出してしばらく経った時だった。