寡黙なトキくんの甘い溺愛


「砂那、小テスト、ほら後ろ。回ってきたよ」

「あ、本当だ。ありがとう、しずかちゃん大橋くん。ごめんね……トキくん」

「……ううん」



何事もなかったように小テストを渡したが……さっき大橋、倉掛さんの事を「砂那ちゃん」って呼んでなかったか?気のせいと思いたいけど……。

そう気にする俺を差し置いて、大橋が「砂那ちゃんお疲れだね?」とまた名前を呼んだ。気のせいじゃなかった事に肩を落とす……。



「砂那~やっぱりアンタ、私に何か隠してるでしょ?そんなに寝不足になるなんて、おかしいもん」

「隠してないない!昨日はホラ!楽しみにしてた小説があって、つい遅くまで読んでたから……」



必死に弁解する倉掛さんだけど、その顔色は決していいとは言えない。

それに、目の下のクマはここ数日で広がってきているきがする……。あの大橋でさえ今朝「そのクマすごいね」と気づいてたくらいだから、相当寝不足なはずだ。