相条さんがブーイングをしそうになった時、倉掛さんが戻ってきた。何やら複雑な顔をしている。一方の大橋派と言うと……
「連絡先?いーよ、交換しよしよー!」
女子のグループに囲まれて、スマホを嬉しそうに触っていた。俺はその姿を見て、ため息が出る。
「(アイツみたいに能天気になれたらな)」
親友から「鈍感」だと太鼓判を押された、俺の好きな人。
その牙城を崩せる日は、いつなのか。どんな手を使えばいいのか――
考えても考えても、悩みはつきない。
「(はぁ……)」
俺は考えるのを放棄するように、また机に突っ伏したのだった。



