寡黙なトキくんの甘い溺愛


「だけど砂那一人でハチマキ作るとか言わないでよ?」

「――え?」

「やっぱり、その反応だと作ろうとしてたでしょ?」

「だって皆に頼むのはなんか違うし……」



ゴニョゴニョ言い訳をしていると「皆で作らないなら却下」と言って、しずかちゃんはカバンを持って教室を出ようとする。

「待って待って!」と必死に止めたけど、どうやらしずかちゃんは頑として譲らないようで……。



「じゃあトキくんに協力してもらえば?」

「トキくん?」

「トキくんがクラスの皆に言えば、全員素直にやってくれると思うよ。女子は特にだけど、男子も。

この前ちょっと話したけど、見た目より話しやすい感じだったし」

「(この前って……あ、私と大橋くんが壇上で皆に話している時かな)」



あの時、確かにしずかちゃんはトキくんと話していた。そしてトキくんは笑っていて……。

その瞬間に私の心臓がキューってなった――結局アレは……なんだったのかな。