「まだ。しずかちゃんを待ってるんだ~」
「そっか、気を付けて帰ってね」
「うん、ありがとう」
そうしてドアから出て行ったトキくん。
だけど、すぐに戻ってきて私の前まで来て「あのさ」と、未だ赤い顔のまま話す。
「さっきの、その……他の誰にも見せちゃダメだからね?」
「さっき?」
「……ネコの鳴きまね」
「(そんなに変だったんだ!)」
釘を刺された事にショックで「はい」と小さな声で返事をする。
その間にトキくんはいなくなっていて、代わりに入ってきたのは、しずかちゃんだった。
「お待たせ~って、砂那?どうしたの?」
「自分の限界を、今、知った所だよ……」
「何の話?」
「猫にはなれないなって話」
「はあ?」
首をかしげるしずかちゃんに「こっちの話」と話を打ち切る。
すると、しずかちゃんが「そういや新オリの日さ」と、もうすぐに迫った新オリの話を始めた。



