「ふは!は~可愛い。倉掛さんって本当に反応がいいね。ね、砂那ちゃんって呼んでいい?」
「むごご(いいよ)」
「ふは!」
私を見て何回も笑われると、さすがに傷つくんだけど……。
大橋くんの手をパシパシと叩いて、やっとの事で鼻を解放してもらった。
はあ、苦しかった……っ。
「砂那ちゃんに提案なんだけどさ」
「ん?」
鼻をさすりながら答える。あ、これ絶対、鼻が赤くなってるやつだ。
私が自分の鼻ばかり気にしていると、しびれを切らした大橋くんが「こら」と私の頭を掴んで自分の方に向けた。
「ちゃんと俺の話聞いてる?ってか聞いて」
「は、はいッ」
いつになく真剣な目に、私の背筋もシャキンと伸びる。