寡黙なトキくんの甘い溺愛


すると、私のスマホがブブと鳴った。私の帰りを心配した、お母さんからのメールだった。

帰らなきゃ――

そう思った時、また何かを察してくれた男の子は、静かに立ち上がる。私に背を向けているってことは、帰るのかな?

これって、やっぱり慰めてくれたんだよね?見ず知らずの私に。寒い外で、ずっと隣にいてくれた。ただ、黙って――



「あの……ありがとう……っ」

「……うん」



「別に」でも「何のこと?」でもない返事。

うん――その二文字に、また私の心が救われる。だけど、思い出す。私の試験は、散々だった事を……。



「またあなたに会いたかったな……私、きっと落ちちゃったから」

「……」



やっと言葉にできるまでに回復した私のメンタル。だけど、少し落ち着いた心臓は、次の男の子の言動によって、あっけなく乱される。



「会えるよ」

「え?」



ギュッ



立ち上がった男の子に、座ったままの私が抱きしめられる。

初めは弱い力で。

だけど、どんどん力が入っていって……