寡黙なトキくんの甘い溺愛


「じゃあ行こうか――はい」

「ん?」



はい――と大橋くんの手を差し出される。疑問に思って頭を傾けると、大橋くんは、またカラカラと笑った。



「この案を考えてくれたんだから、君が主役みたいなものだよ。

だからどうぞ、お姫様?」

「や、やめて……恥ずかしいっ」



皆の前で堂々と言うものだから、何人かの視線を浴びる。

うぅ、恥ずかしい~!

隣のしずかちゃんも「あほくさ」と言ってるし、後ろのトキくんは……あ、目があった。



「……」



トキくんはフイと視線を逸らしたかと思えば、机に突っ伏した。かと思えば、ものすごい速さで起き上がり――

悔しそうな顔で、こう言った。



「……そんな奴と手を繋がないで」

「っ!」



すごく困ったような顔で「お願い」されてしまった……。