寡黙なトキくんの甘い溺愛


「え、と……あの……う〜……っ」



口を開けると泣くしか出来ない私に何かを悟ったのか、男の子は何も言わずに近寄って、私の隣に静かに腰を下ろした。



「……汚れますよ?」

「いいよ……この制服を着るのも、あと少しだし」

「(制服が違う……他校の人だ)」



私の学校とは違う制服。

同じ地味同士でも、私とは違う雰囲気――

その男の子は、ひどく寡黙だった。



「グス……」

「……」



私が涙を流し、男の子がただそれを黙って聞いている時間。

無限に思えた、かけがえのない時間。



「なんでだろう……あなたといると落ち着くの」

「……そう」



そっけない返事も、私の方を一切みないその瞳も……今の私にはひどく心地が良い。