寡黙なトキくんの甘い溺愛


さすがに大きな声で言えないと大橋も自覚があるのか、周りを気にして小さな声で言ってのけた。

心做しか大橋の周りに、あるはずのない薔薇がチラついて見える……。



「俺は……カッコよくない。けど、お前はカッコイイ。それでいいだろ」

「違うんだよ!君の意見なんて必要ないんだ。

女子たちの反応で、すぐ分かる。この学校で一番のイケメンは誰なのかってね」



大橋は目だけをキョロキョロ動かして、周りの女子を見ている。そして三秒後には「はあ〜」と肩を落とした。



「残念すぎる。俺は一番じゃない。女子の目は君に釘付けなんだよ」

「……そんなことない」



本人である俺が否定してるんだから、素直に「やっぱ俺が一番カッコいいよね」と言えばいいのに……。だけど大橋は、落とした肩を上げて、真顔だった顔に、またニヒルな笑みを浮かべた。そして「腹が立つんだよね」と、さわやかな顔で言ってのける。



「ポっと出の君に俺の計画を台無しにされたのが腹立つんだよ。だから、意地悪をしたくなった」

「?」



俺から目を離して、窓の外を眺め始めた大橋。穏やかな雰囲気に包まれるが、語る内容は物騒なものだった。