寡黙なトキくんの甘い溺愛


「ねぇねぇ、トキく〜ん」

「トキくんって言うな」



俺にベッタリ引っ付く大橋を、腕を振って剥がす。「つれないなぁ」と全く残念そうにしない大橋が、またカラカラ笑った。



「……なんで俺に構うんだ」

「え?面白いから」

「……」



真面目に質問した俺が馬鹿だった。無駄になった時間をスマホで確認し、ため息をつく。変な奴に付きまとわれたもんだ。もう、これっきりにしてほしい……。



「俺は教室に戻るからな。学級委員の事……どうにかしろよ」

「どうにかしろって言われても、狙ってやった事だから――今更、変えないよ?」

「狙ってやった?どういう事だ……?」



大橋の言い方に引っかかって、背中を向けていた体を、嫌々また大橋へと向ける。すると大橋は、まだ余裕そうに笑っていて……

そして、こんな事を言った。



「気に入らないんだよ、君がね」