警戒しているのが伝わったのか「そう怖い顔しないでよ」と大橋はカラカラ笑った。
「ダメだよイケメンくん。
女子に囲まれた時はサラサラ~と流さないと、何回でも付きまとわれるよ?」
「え……」
「イケメンな俺からの忠告を、ありがたく受け取っておきなって。そして、そんな俺を“ 凄いかっこいい!”って褒めて」
「……」
髪の毛をサッと手で靡かせる大橋を、白い目で見つめる俺。
「そんな冷たい目で見んな」って言われたけど、いや、だって……
「何で俺を助けた?」
「今まで地味男だったトキコに、モテる俺からアドバイスしようと思っただけだよ」
「……トキコって言うな」
「中学時代の吾妻は、ちっちゃくて可愛らしかったろ。だからトキコって呼んでた奴もいたんだぜ。
しかし――
高校デビューおめでとう。名前を言われなきゃ、同中だって気づかなかったわ」
俺の肩に腕を乗せて、顔を近づけて怪しく笑う大橋。
その笑顔が、気に食わない。



