「えっと、アオくん、これはね!」



ワタワタとアオに説明を始める砂那。だけど、そんなんじゃ、この前の敗北感は拭えない。俺は子供っぽいと自分で思いながらも、俺から離れようとする砂那をグイッと自分に寄せた。

そして赤いリップをなめとるように、舌で自分の唇をペロッとなめて、



「ごちそうさま」



そう言って、ニヒルに笑って見せたのだった。




――――その後は、散々だった。



「な!お、まえ……!!」と激高したアオが、まんまと俺の挑発に乗ってくれた。だけど、怒りよりショックの方が大きすぎたのか、目が次第に白目をむき、そして倒れてしまった。

「え、アオくん!?アオくんー!」