寡黙なトキくんの甘い溺愛



「やっほー砂那~!なかなか会えなくて寂しかったから遊びに来ちゃったー!」

「あ……」
「え、アオくん!?」



入ってきたのは、なんとアオだった。片手にコンビニの袋を持って、ガサガサ振り回しながら玄関の扉を開けた。

だけど、開けた先には、可愛くなった砂那がいて。その砂那を俺が抱き、二人の唇の距離は、五センチも離れていなかった。

加えて……



「お前、その唇……!」

「え、俺……?」

「砂那の唇についてる同じ赤い色が、お前の唇にもついてるぞ!!」

「(あ、しまった。移ったのか)」



どうやらキスをした時に、砂那のリップが俺の唇にもついたらしい。そりゃ、そうか――さっきの事を思い出す。あれだけすれば、そりゃ、つくよな……。


目の前でワナワナと震えるアオを見て、俺は頬が緩む。そう、芽生えたのは「優越感」。プール掃除の時は、抱き合う二人をただ見ているだけだったけど、今は違う。

砂那は今、俺の腕の中にいる。


砂那はもう、俺の彼女なんだ――