「ねえ、砂那」
「ん?」
長い髪がサラサラと、俺の手を滑る。一掬いして、優しくキスを落とす。そして――
「好きです。俺と付き合ってください、砂那」
ようやく、二人で願っていた言葉を言えるのだった。
砂那は長い髪を耳にかける。その時に、俺があげたゴムがきらりと手首で光ったのが見えた。今でも大事にしてくれているのだと、素直に喜ぶ自分がいた。
砂那は、嬉しそうに頷く。そして、俺にギュッと抱き着いてきた。
「私を彼女にしてください、トキくんっ」
「! ふ、不意打ち……っ」
そんな可愛いことを、こんなに急に言わないでほしい。さっき落ち着いていたと思った俺の「欲」がジワジワとまたうごめいているのを感じる。
「砂那……」
意味ありげに、物欲しそうに……色んな意味を込めて砂那の名前を呼ぶと、砂那は少し黙った後に、俺の耳元で囁いた。



