「大橋くんがね、倉掛さんとやらせてくれーって立候補してきたの」

「え!?」

「……」



驚いてうみ先生を見る倉掛さん。どうやら彼女の希望ではないらしい。

うみ先生も感じとったのか「違うの〜?」と頭をコテンと傾けた。



「隣の席同士だったから、てっきり“ 委員長になろうね”って約束してたのかと思っちゃった〜」

「い、いえ……初耳です」

「そうなのー?じゃあ、どうしようかしら。やめる?」

「え、うーん……」



倉掛さんは、教室にいるみんなを見渡す。

みんなはホームルームがもうお開きだと思っていたらしく、まさかこれ以上に延びるのか?と、露骨に嫌な顔をした。