「トキくんに見透かされたような気がしたの。私の未熟な部分を。ズルい部分を。いつまで返事をしないつもりなんだって、言われた気がして……思わず逃げた。
こんなズルい自分を、トキくんに知られたかと思うと、怖かった。知られたくなくて、知ってほしくなくて……。嫌だったの。私のこんな部分を、トキくんに知られるのが」
話しながら、ドキドキが止まらなくて……つい、泣いてしまいそうになる。浅い呼吸が、涙を誘発させた。だけど、泣かない。泣けない。私は、頑張るって決めたんだもん。
「しずかちゃんがいつも後押ししてくれる。私の良いところは他にある。それを前面に出せばいいって、そう言ってくれる。
だけど、私はいつも否定して……自分の良いところなんて無いって、漠然とそう思ってて頑張る努力をしなかった。そんな私を、しずかちゃんがいつも怒って励ましてくれる。何度も何度も……。私は、それに甘え続けていたの」
ぱたっと零れ落ちそうになる涙を、急いで缶をほっぺにあてて隠す。水滴がついた缶は、私の涙をうまくカモフラージュしてくれた。



