「好みが分からないから適当だけど……どっちがいい?」
「え、あ……ありがとう。トキくんは、どっちが好き?」
自分が先に選ぶには忍びなくて、選択権を譲る。するとトキくんはフワッと笑って、
「砂那の選ばない方のジュースが好き」と、そう言ってくれた。
「……じゃあ、こっち」
「はい、どうぞ」
「ありがとう……ッ」
泣きそうになりながらジュースを受け取り、両手で缶を握る。こんな時まで私の事を配慮してくれて、言葉を選んでくれて……嬉しさと同時に申し訳なさも湧いた。
「(また泣いてしまいそう……っ)」
だけど、ここで泣くのは違うよね。私は頑張るって、そう決めたんだから――



