「あ、謝られる事なんて、何も……」
むしろ、私の方が謝りたいわけで――どう切り出そうかと思っていると、またトキくんが「ごめん」と謝った。
「さっき、泣かせたこと……謝りたい。プライベートな事に踏み込んでしまったのも……それは、してはダメな事だった。気づけなくてごめん。そんな事でさえ気づかない俺で、ごめん。砂那に全て謝りたい」
「トキくん……」
キュッと心臓が掴まれる。私の方が謝りたかったのに、どうしてトキくんがそこまで自分を責めてるの……?
「……っ」
いたたまれなくなる。だって私が泣いたのは……自分を守る保身のようなものからで……。
私がなかなか口を開かないのを見て、トキくんは「少し待ってて」と言って、ベンチから立ち去る。しばらくして戻ってきた時には、手に二本の缶を持っていた。



