寡黙なトキくんの甘い溺愛


「出ないよ。失恋タイムくらいはほしいよ。傷ついた心を癒す時間がほしい……」

「……付き合う」

「え、ほんと?やった。しずかちゃんくらいの美女が隣にいてくれたら、俺の元気もすぐ戻るよん♪」



またいつものようにおどけて見せる大橋。相条さんは諦めたような乾いた笑いを見せた。



「でも、知ってるでしょ?私、攻撃的なんだから。大橋もすぐ傷つけられるわよ」



だけど、大橋は「そうかもね」と言って、意に介していない様子だ。窓に預けた頭はそのままに、フッと笑ってみせる。



「でもさ、昔から綺麗なバラには棘があるって言うじゃん。相条さんはね、バラなんだよ。だって綺麗じゃん?美人じゃん?」

「……わりと意味が分からないけど」

「なんでさ、そのままだよ。誰だっていい面もあれば悪い面もあるってことだよ。砂那ちゃんだって、ちゃんと分かってるはずだよ。相条さんの本当の優しさをさ。それに……」

「それに?」

「俺は結構好きだよ、バラ」

「!」