寡黙なトキくんの甘い溺愛


「キスってなに!?告白まがいなことって何!?俺は何も知らないよ!?トキくん説明して」

「砂那、ほっぺにちゅーされてた時に起きてたらしいよー。告白も”あれはどっち?”って分からないみたい」

「……」



「ほっぺにちゅー!?」

「ちょっと大橋、うっさい黙って!」

「……悪夢だ」



呟いた俺の声は、口の中に留まり外に出ることはない。もうどうしたってその場にいるのが限界になり、向きを変えて二人から遠ざかるようにダッシュをする。

後ろで大橋が「待ってトキくん!俺ら友達でしょ!?」と俺を引き留めようとしたが、相条さんがその肩を掴んでいた。



「はいはい、大橋。あんたも覚悟できてるんでしょ。じゃあ諦めた諦めた。あとはご両人に任せなさいな」

「……ひでーよなぁ。一番頑張った俺が、一番邪魔者なんだもんな……」



いじいじといじけて、相条さんがしてたように窓に頭を置く大橋。相条さんは「次の授業出る?」とどこ吹く風だ。