「そんな中途半端な事をされて、よく平気なふりしていられるね?しかもキスされてただあ?そんなの、もう確信犯じゃん!」

「ちょ、しずかちゃん声が大きい!それに、キスっていっても、私が保健室で寝てるときにほっぺに、だから!口じゃないよ?」

「だとしても!それはほっぺにチューも立派なキスよ砂那!」



今は昼休み。日陰のある中庭に出て、人の気配がないのを確認した後に、この話題に燃える私たち。しずかちゃんの様子を見るに、今日も白熱しそう……。



「私が気に入らないのはねぇ、砂那の前でははっきりした事は言わずに、砂那の知らないところではしっかり意思表示をしているところよ!そんなのただの意気地なしじゃない」

「そ、そうなの、かな……」



好きな人である手前、あまり悪口は言いたくない。そんな気持ちを汲み取ったのか、しずかちゃんも「ごめん言葉が過ぎたね」と私に謝った。