結局は教えてくれるのか――と思いつつも、大橋の言葉は胸にくる。そう、だって今一番悩んでいる問題が、それだから……。

散々遠回しなセリフを言っておいて、肝心の好きと言う気持ちを伝えられてないんじゃ、あれはきっと告白とは言わない。

砂那だって、きっと告白とは気づかない。鈍感な砂那だ。大橋に告白をされても大橋が「告白されたって分かってるかな?」って疑問に思うくらいには、砂那は鈍感なんだ。



「好きって以外の告白、あると思うか?」

「砂那ちゃんに限ってそれはないね。だって鈍感すぎるもん、あの子」

「……そうだな」



大橋も太鼓判を押す。砂那への告白は、ド直球に限るのだと。



「あ、ラーメンのいい匂い。トキくん、ちょっと寄って行かない?俺のメンマあげるから」

「……行く」

「お、いこいこ♪」



部活終わりに、腹をすかせた男子が二人。ラーメン屋へ。そんな青春ど真ん中のことを、俺が今、体験している。中学時代の俺から考えると、想像もつかなかったことだ。