寡黙なトキくんの甘い溺愛


けど、当の本人の大橋は、さらに気になってるだろうな。自分の思いを伝えて、長いこと返事がないというのは。



「ジュース……おごる」

「やめてよ。人を負け犬みたいに」

「そういう意味じゃない」

「だとしても、だよ。どんな慰めも不要だから」



ビシッと言われてしまい、俺は反省する。そうか、別になぐさめてほしいわけじゃないのか……。



「俺は……その辺の対応が、よく分からない。こんな時になんて声をかけていいかも」

「うん、いいよ。別に。期待してないし。だってトキくん。中学の時にあまり友達いなかったじゃない」

「……」



少しでも素直になった俺に、大橋は容赦なかった。容赦なく、俺という人物を暴く。



「こういう時は、お前のカタキは俺がとるとか、そんなカッコいい事を言っておけばいいんだよ」

「……」

「あ、疑ってるね?」



また笑うところを見れば、ウソなんだろう。だけど、その大橋の言動が、俺の心をほぐす。どうやら、いつの間にか緊張していたみたいだ。相手は大橋なのに。



「恋って難しいな」



大橋みたいなオープンな性格な奴にも、分け隔てなく幸も不幸も訪れる。好きな人に振り向いてもらうことが全てなんだ。