寡黙なトキくんの甘い溺愛


「トキくんってさ、日ごろはすごくクールなのに砂那ちゃんの事になると、本当に一直線だよね!」

「……背負い投げの練習したい気分だな」

「まさか俺を投げ飛ばす気?も~図星だからって俺に八つ当たりしないでよ」

「……」



これ以上は何を言っても揚げ足をとられそうなので、無言に徹することにする。すると大橋が「頑張ってよね」とさっきとは打って変わって静かな声で言った。



「柔道も砂那ちゃんの事も、頑張ってよね。トキくんには期待してるんだから」

「上から目線だな……」

「上からじゃないよ。手が届かないから言ってるんだよ。俺、きっと振られるからさ」

「……返事、もらったのか」

「まだだよ。でも、こういうのって分かるでしょ?特に好きな子の事になるとさ。

俺さ砂那ちゃんと目が合わないんだよ。俺の事を見てないって事は、気にしてないって証拠でしょ。もしも好きなら、隣の席同士でイチャイチャし放題だよ」



ま、それはトキくんが許さないだろうけど


と言って無邪気に笑う大橋。いつもの笑顔に、少しだけ影がかかっているように見えた。

告白してから二週間くらいか?砂那がまだ返事をしてないということに、少しだけ動揺する。受けるか断るか悩んでいるのか――気にならないわけがない。