寡黙なトキくんの甘い溺愛


「あ、のさ……砂那」

「え、と……は、はいッ」



私と同じように窓の外を見ていたトキくんが、スッと私に視線を戻す。さっきまで見つめ合っていたというのに、再び視線が交わると飽きることなく心臓は飛び跳ねた。

ドキドキがとまらないって、本当にあるんだ……。



「砂那、だから、その……応援して。俺が試合に勝つのを。俺に試合を”辞退して”って言うんじゃなくて、”頑張って”って、そう言ってほしい。俺は、砂那に一番に応援してもらいたい。

ダメ、かな……?」

「え、あ、ぅ……」



そう言われると、何も言い返せない。本当は、力ずくでも辞めさせたい。アオくんが全国一位になるまでだって、何度だって危険な目に遭って来た。柔道は至近距離で行う危険なスポーツだって、その時に思ってしまって……。私のせいで、トキくんが危険に目に遭うのかと思ったら……やっぱり出てほしくはなかった。


「(でも……)」