「俺がどうしてもアオとの試合に出たいのは、簡単な理由なんだよ」
「え、簡単……?」
「うん。だって俺はね、砂那を独占したいだけなんだ。例え付き合いの長いアオにだって、砂那の事は渡したくない。という以前に、触れてほしくない。あんなに、べたべたと……」
「独占……」
トキくんが、私を?
独り占めしたいって、そう思ってくれてるの?
「~っ!」何とも言えない気持ちが、内側から噴火するように体中を駆け巡った。体中がジンジンとしびれて来たような感覚に陥る中、トキくんの話は続く。
「砂那にひっつくのが嫌なんだよ。アオは男で、砂那は俺の大事な人だから。
だからアオには、砂那にひっついてほしくない。相条さんのいうように、砂那離れをしてくれるなら、絶対勝ってやるって、そう思った。
これが、俺がアオとの試合を断らない理由。絶対勝ちたいっていう、俺の本音」
「……そ、う……なん、だ……っ」
「うん……」



