「……うん、あのね」
何拍か置いた後、トキくんは慎重に口を開いた。そして――
「入学式の日、俺が砂那の初恋の人だって聞けて嬉しかった。聞いた時は、出会った頃に帰りたいなんて思っていたけど……。今は違う。過去の俺にだって、砂那の事を取られたくない。だから――
砂那の目の前にいる今の俺を……もう一度、好きになって欲しい」
真剣に、私にそう言ったのだ。
「え、好きになってほしいって……そう言った?」
「うん。俺は、砂那に好きになって欲しい。
もう一度、俺に恋をしてください」
「っ!」
心臓が、止まるかと思った。
いや、絶対、一瞬だけ止まった。すぐ動きだしたけど、でも、また止まっちゃいそう。
心臓が早く動きすぎて、いっそ止まってる様にも思える……そんな、異様な感覚。



